溝田友里

国立がん研究センター
社会と健康研究センター
保健社会学研究部

健康増進科学研究室 室長 溝田友里

受診率向上には、
資材を使う現場の方々の工夫が不可欠です

私たち国立がん研究センター保健社会学研究部は、民間のマーケティング専門家である株式会社キャンサースキャンの方々のご協力を得て、ソーシャルマーケティングを活用した効果的ながん検診受診勧奨資材の開発を2007年より進めてきました。
始めは3種類のリーフレットのみでしたが、自治体の方々のご要望をお聞きしながら徐々にがん種や種類を増やし、2016年4月現在、9種類のリーフレット、5種類の圧着はがき、2種類の封筒、1種類のチラシをご提供できるようになりました。
資材を活用していただく自治体の数も4都道府県8市町村(2013年度)から6都道府県14市町村(2014年度)、16都道府県96市町村(2015年度)と大きく広がってきています。2016年2月には厚生労働省発行の「今すぐできる受診率向上施策ハンドブック(下図)」の協力・監修を行い、資材の紹介を行ったことで、さらにご利用いただく自治体が増えています。 今すぐできる受診率向上施策ハンドブック

・資材のサイズや紙の質を変えないこと
・資材を送付してすぐ受診申込みができる
    
体制を作っておくこと
・検診(特に集団検診)の日程、受け入れ
    
可能人数を十分確保しておくこと
・検診案内以外の余分な情報は入れないこと
・一度の通知の効果は2、3ヵ月なので、
    
コール・リコール
・年度の締め切り間際など1年に数回
    
受診の山を作ること

今すぐできる受診率向上施策ハンドブック などが成功の要因であることが明らかになりました(詳しくは「提供資材の導入効果」のページをご参照ください)。
様々な自治体で資材をご利用いただくなかで、私たちがご提供している資材は受診率向上効果が科学的に証明されたものではありますが、それを使っていただく自治体の担当者の方々の工夫があって初めて十分な効果を発揮できるということがわかってきました。「モノ」だけではなく、「モノ」と使う人の「思い」があってこそ、人を動かすことができるのだと、私たちも自治体の方々と一緒に取り組ませていただくなかで学ぶことができました。

まだまだ私たちの知らない資材の活用方法があるかと思います。
効果的な受診率向上のために、ぜひ資材をご活用いただき、工夫の仕方などを教えてください。

溝田友里

国立がん研究センター
社会と健康研究センター
保健社会学研究部

健康増進科学研究室 室長 溝田友里